2010年06月19日

『謎の生命体アンカル』 ジョドロブスキー原作、メビウス画

『謎の生命体アンカル』
アレクサンドロ・ジョドロブスキー原作、メビウス作画 講談社ヨーロッパベストコミック 1986年
『L'INCAL TOME 1 / L'INCAL NOIR』(闇のインカル)
(Alexandro Jodorowsky, Moebius)

(Amazonへ)


 「アンカル」は、映画監督として有名なアレハンドロ・ホドロフスキー原作、メビウス作画によるSFマンガ。全6巻のうち1巻のみが邦訳されている。
 絶版だけど、図書館にあったので読んでみた。

 ホドロフスキー原作ということで、哲学的で難解な内容を予想していたのだけれど、意外にもアクション満載の娯楽作だった。とぼけたユーモアも楽しい。
 ホドロフスキーらしい神秘の世界はまだ片鱗を見せるのみだが、ぜひ続きを読みたいものだ。


 近未来(遠未来?)の地球らしき星。B級ライセンスの私立探偵ジョン・ディフィールは、アンカルという謎の物質を巡る、宇宙規模の闘いに巻き込まれていく。
 空中パレスから支配するクローンの大統領、殺人鬼メタ・バロン、地底のAMOKアモクの女帝など、種々の奇想あふれる人物や生物が入り乱れ、宇宙の運命を左右するほどの力を持つアンカルの争奪戦が繰り広げられる。


 詳しくはメビウス・ラビリンスを。1巻を和訳してくれている。http://moebius.exblog.jp/183856/
更新停止しているのが残念だ。

 部分的にだと思うけど、アニメーション化もされているようだ。トレイラーがあった。
 http://www.youtube.com/watch?v=OBktKOQGBYA


 なお講談社版では原作者の表記がアレクサンドロ・ジョドロブスキーとなってる。普通はアレハンドロ・ホドロフスキーと表記される。
 ミッドナイト・ムービーの名作『エル・トポ』を始め、『ホーリー・マウンテン』『サンタ・サングレ』などの映画監督として有名だ。
 これが訳された時は『エル・トポ』が日本公開前だったから氏名表記が定まっていなかったのだろう。

 中学生の頃『エル・トポ』を観たときの衝撃は忘れられない。こんな世界が存在したとは、という驚き。
 私がメビウスの名前を初めて知ったのは、『エル・トポ』のパンフレットだったと思う。小松沢陽一さんが『砂の惑星・デューン』の頓挫した映画化構想について書いていた文中にあった。ギーガーのインパクトが強すぎてメビウスはやや陰にかくれてしまっている感があるが。
http://www.duneinfo.com/unseen/moebius.asp デューンのためにメビウスが描いた絵が見れる。

 聞くところでは、『エル・トポ』の続編『アベルカイン』(エル・トポの息子)が製作再開したとか。果たしてどうなるか。


 なおIncalで検索すればネットでこのマンガの絵をいくつも見られるけど、大体、コンピュータでカラーリングし直したもの。私が読んだ邦訳版は昔の手塗り。メビウス自身が塗ったわけじゃないと思う。正直、どちらも大して魅力的とは言えない。
 「ユーロマンガ」4号に、「アンカル」のスピン・オフ作品が載っている。こちらはメビウス自身による色つけらしい。さすがは段違いに良い!(というほど劇的に好いわけでもないね。前のも実はメビウス自身だったりすると恥をかくので黙っていよう)

 「ユーロマンガ」がこんなに続くとは思わなかったな。皆さん買いましょう。
 1巻について言うと、ビジュアル的にはニコラ・ド・クレシー が圧倒的。他の3つもなかなか筋は面白い。ブラックサッドの続編も。ブラックサッドは1巻の「黒猫の男」はつまらなかったけど、2巻目「ブラックサッド 凍える少女」は良くできたハードボイルドだった。1巻だけでやめちゃった人も、続けて読む価値があると思う。



エル・トポ DVD

《追記》
L'INCAL アンカル 完訳版が出た!

posted by 読書家 at 00:58| Comment(0) | TrackBack(2) | 漫画、画集など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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