2008年07月04日

『JUNO/ジュノ』 ジェイソン・ライトマン監督

 16才でうっかり妊娠してしまった女の子の成長を描いたかわいい映画。深刻にならず、ポップにさわやかに描いている。主役の女の子(エレン・ペイジ)がさっぱりしててすごく魅力的なこともあって、こんななら十代の妊娠も悪くないなあ、と思えてくる。
 というと不穏当な映画のようだけど……。妊娠出産という得がたい経験をとおし、生命の愛おしさを知り、本当の恋も手に入れ、大人の世界もかいま見、そして生んだ後は何事もなかったように楽しく過ごす。
 いいなあ、僕も十代で妊娠したい。などと冗談をいって誤解されると困るな。アメリカで妊娠協定を結んだ女の子が集団妊娠したというニュースがあったけど、色眼鏡でこの映画が見られることになると残念。決して妊娠を軽薄に扱ってる映画ではない。とは言え、もし自分に十代の娘がいたらあまり見せたくないかもな。いないからいいけど。

 実際の十代の妊娠には深刻な問題も多いはずだけど、女の子も赤ちゃんも里親も幸せになれるならその方がいいにきまってるので、一つの個性的な生き方として軽妙にあつかってくれるこんな映画もあっていいはずだ。深刻になっても余計に物事を耐え難くするだけってこともあるだろうし。

 僕は十代の女の子モノの映画はわりとよく観ていて、特に『ゴーストワールド』なんか大好きだ。女の子を見るのが楽しいこともあるが、女の子として世界を体験したいという欲求が強いような気がする。匿名のブログだから言えることだが。
 このJUNOもかなり期待して観にいって、いい映画とは思ったけど、いまひとつぴんと来ないところもあった。多分、俗語を駆使した軽妙なセリフに妙味があるんだろうけど、英語にもアメリカ文化にも疎い僕には伝わりづらかったかもしれない。とはいえホラー映画やロック音楽をめぐる里親(夫の方)とのやり取りはすごく面白かった。70年代パンクの申し子ジュノと、90年代をロック黄金時代と呼ぶ里親の対立と和解。そして……。
 音楽の使い方が絶妙。ベルセバとか。

 ところで、『ゴーストワールド』もそうだったけど、平凡はいやだ、特別な存在になりたい、という思いはアメリカの女子には特に強いのだろうか。共感はできるけど、もし特別になるための手段の一つとして妊娠をとらえてしまう女子がいるのだとすると恐ろしい、などと、映画の社会への影響を憂いてしまうとは、僕も大人になってしまったってことかな。



サントラ

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posted by 読書家 at 23:28| Comment(0) | TrackBack(1) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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