2013年06月15日

『イノセント・ガーデン』 パク・チャヌク監督

『イノセント・ガーデン』
2013年 アメリカ映画
監督
 パク・チャヌク
出演
 ミア・ワシコウスカ
 ニコール・キッドマン
 マシュー・グード 他

パク・チャヌク監督の米国進出作。
おもしろかった。アジア人監督の米国進出第一作としてはかなり成功してる方じゃないだろうか。興行的にはどうか知らないけど。
こういう耽美的な少女世界の話って好きなので楽しく見た。

でもパク・チャヌク監督というとやっぱり『オールド・ボーイ』の圧倒的なおもしろさを思い出してしまうので、今回も違ったか、というがっかり感も正直あった。

テレビドラマ「プリズン・ブレイク」の脚本家によるシナリオって割にはひねりがないな、と思ったら、脚本家ではなく主演俳優が書いたシナリオでしたのか。

娯楽作としては、『オールド・ボーイ』、『JSA』の次くらいのおもしろさかな。


父親を事故死で亡くした少女インディア・ストーカーの家に、叔父と名乗るハンサムな男が訪ねてくる。しかし母親すらその存在を知らなかったという。やがて彼らの周りで人が消え始める……。

ヒッチコックの『疑惑の影』みたいな話。でも『疑惑の影』ってどんな話だったっけ。怪しいおじさんが出てくるのは確かだけど、真相がどうだったか憶えてないのであった。

パク監督がヒッチコックを意識しいたのかわからないけど、ちょっと余計な手管を使いすぎじゃないかな。映像は凝ってるけど、あまり効果を上げていない感じ。特に前半、あまり話が動かないのに映像ばかりが変に思わせぶりで、ちょっといらいらした。
原題がStokerでブラム・ストーカーを思い出させるから、そっち方面ぽい感じもかもし出そうととしてるのかもしれない。

森での逢引からシャワーシーンにいたるあたりの、隠されたものがあらわになっていくあたりの描写が圧巻だった。
オナニー・シーンも良い。女性のオナニーシーンで一番好きなのは『マルホランド・ドライブ』のナオミ・ワッツだけど、これもベスト5くらいに入ると思う。
でもほかに5作もあったっけ。他に思い出せるのは・・・『ブラック・スワン』の怖すぎるオナニー、フランソワ・オゾン監督の『スイミング・プール』、これはエロかった。『台風クラブ』の工藤夕貴もしてたっけ。好いのが多いな。良くないのは記憶に残ってないからか。
あとベルイマン監督作で、ベランダか何かの手すりでオナニーする場面があるって聞いたけど、何の映画だったかな。見たはずなのに気づかなかったのだ。
男性だとやはり『けんかえれじい』の・・・いやオナニー話はこのくらいにしよう。

ついでですが、最近旧約聖書「創世記」を読んで、オナニーの語源になったオナンの話もその中にあるのだけど、手淫というより、妊娠に繋がらない射精がオナニーってことなんですかね、もともとは。まあオナニー話はこれくらいでやめよう。


(イノセント・ガーデンの話に戻って、)好みから言うと、主人公がもっと若いとよかった。思春期の危うさが出せたんじゃないかなあ。
インディアは役の上では18歳、演じるミア・ワシコウスカはもっと老けて見える。

イノセント・ガーデン.jpg
鉛筆と写真合成による美しいポスター。
イギリスのフェイ・ダルトンという画家だそうだ。
http://www.faydaltonillustration.com/page5.htm



スパイク・リー監督による『オールド・ボーイ』のリメイク映画が本年公開予定。
http://cia-film.blogspot.jp/2013/06/oldboy-4.html

以前、松岡 環さんの講演で、インドでも『オールドボーイ』がリメイクされたと聞いたんだけど、ついでに輸入してくれないかな。
「Zinda」という映画だそうだ。見た人の感想があった。
Junglee Blog
http://junglee.blog118.fc2.com/blog-entry-45.html
アジアのうずまき
http://lemoncoffee.cocolog-nifty.com/uzumaki/2006/06/post_f04c.html

ちなみに、今一番楽しみにしてる映画のひとつがパク・チャヌクがプロデュース、ポン・ジュノ監督の『スノーピアサー(Snowpiercer)』だ。フランスのマンガが原作のSF。「雪国列車」って題は使わないのか。
http://aw5656.blog.so-net.ne.jp/2013-06-13-1
posted by 読書家 at 14:47| Comment(0) | TrackBack(1) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月02日

『ゴリアテ』 トム・ゴールド 著



『ゴリアテ』
 著者: トム・ゴールド 翻訳者: 金原瑞人
 発売元 パイ インターナショナル
 定価1,995円 (本体1,900円+税)


旧約聖書のダビデとゴリアテの物語を、ゴリアテを主人公にして読み替えたグラフィックノベル。
静かな展開とシンプルで味わい深い絵。
とてもよかった。

著者の トム・ゴールドは、「GUARDIAN」「NEW YORK TIMES MAGAZINE」 などで連載を持つ、漫画家・イラストレーター、だそうだ。
(パイ インターナショナルのホームページより。ここで中身も読めます。)
http://www.piebooks.com/search/detail.php?ID=4344


ペリシテ人とイスラエル人の軍勢が、谷を挟んで対峙している。
ペリシテ人の兵士ゴリアテは、大男だが心優しく剣の扱いも下手で、書き仕事が主な仕事だ。
ゴリアテの巨人ぶりに目をつけた隊長は、戦況を打開すべく、極秘の作戦を立案する・・・。


マンガだけど絵本に近い味わい。
シルヴァスタインとか好きな人にも良いかな。
ゴリアテの物語である以上、結末はあらかじめ予想されている訳で、軽妙でかわいらしい絵にもどこか哀しみが漂ってる感じがする。
違った結末にたどり着いてくれるといいな、と願いながら読んだのだけど、果たして・・・。


Caravaggio david.jpg
カラヴァッジョ「ゴリアテの首を持つダビデ」
もともと無残な絵だけど、このマンガを読んだ後ではなおさら心が痛む。



旧約聖書はずっと読んだことなくて、最近やっと読み始めた。
「創世記」を読み終わったところ。
岩波文庫版で読んでるけど、読みやすいしおもしろい。
文語訳でも読みたいのでこのサイトを参照してる。
http://web1.kcn.jp/tombo/v2/label.html

ダビデとゴリアテの話は「サムエル記上」第17章に載っている。
http://web1.kcn.jp/tombo/v11/samuel117.html

ゴリアテの登場場面を引用してみる。

ペリシテ人(びと)は此方(こなた)の山にたちイスラエルは彼方(かなた)の山にたつ谷は其(その)あひだにあり
時にペリシテ人の陣よりガテのゴリアテと名(なづ)くる挑戰者(たゝかひをいどむもの)いできたる其身(そのみ)の長(たけ)六キユビト半
首(かうべ)に銅(あかゞね)の[かぶと]を戴(いたゞ)き身に鱗綴(うろことぢ)の鎧甲(よろひ)を着たり其(その)よろひの銅(あかゞね)のおもさは五千シケルなり
また脛(あし)には銅(あかゞね)の脛當(すねあて)を着(つ)け肩(かた)の間に銅(あかゞね)の矛戟(ほこ)を負(お)ふ
其(その)槍(やり)の柄(え)は機(はた)の梁(はり)のごとく槍(やり)の鋒刃(は)の鐵(てつ)は六百シケルなり楯(たて)を執(と)る者其(その)前にゆく
ゴリアテ立(たち)てイスラエルの諸行伍(そなへぞなへ)によばはり云(いひ)けるは汝らはなんぞ陣列(そなへ)をなして出(いで)きたるや我はペリシテ人(びと)にして汝らはサウルの臣下(しもべ)にあらずや汝ら一人をえらみて我(わが)ところにくだせ
其人(そのひと)もし我とたゝかひて我をころすことをえば我ら汝らの臣僕(しもべ)とならんされど若(も)し我かちてこれを殺さば汝ら我らの僕(しもべ)となりて我らに事(つか)ふ可(べ)し
かくて此(この)ペリシテ人(びと)いひけるは我(われ)今日イスラエルの諸行伍(そなへぞなへ)を挑(いど)む一人をいだして我と戰(たゝか)はしめよと

posted by 読書家 at 12:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画、画集など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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